2008年

今年もよろしくお願いいたします。



今年の年賀状。12月30日まで刷ってました…。
で、インキが乾くのを待って、宛名書いて、大晦日に投函。
海岸印刷はスローライフを実践しています(悪い意味で)。

デザインはうんうんうなった挙げ句、写真と活版の両方を使うことに。
写真部分はオフセット(むろん外注です)、その上から文字部分を活版で。
書体はMartin Bold 24pt。色はグレーと赤。
当初グレー部分は「シックなブルーグレー」で刷ろうと思っていたものの、
インキを混ぜても混ぜても目的の色にならず。
「薄気味悪いくすんだ青ねずみ色」→「少しくすんだ青ねずみ色」
→「どこかの沼の色」を経てふて寝(12月29日の出来事)。

結局次の日、昨日の試し刷りを見渡したら、最初に作ったグレーのプリントがよかったので
そのままグレーのインキを作って本刷りに。
2008年はもっと色遣いを上手くしたい。そして年賀状を12月25日までに出したいです。

『雲捕獲記録 Dancing on the Cloud』  2007 Miniature Book Competition Distinguished Book Award 受賞

赤井都さんの豆本『雲捕獲記録 Dancing on the Cloud』が
2007年Miniature Book Competitionで特別優秀賞を受賞した。


(写真は限定版。受賞したのは箱装、ニットカバー付きの特装版)。

赤井さんのサイトの一つ「言壺」
http://miyako.cool.ne.jp/kototsubo/index.html

Miniature Book Society
http://www.mbs.org/index.html

この豆本は今年の春、海岸印刷で印刷を担当させていただいたもので、
受賞のことを赤井さんから聞いたときは「ああ、よかった、足引っ張らなくて…」
と心底ほっとした(いやほんとに)。

初めて欧文組版をしたもので、お話をいただいたときから
組版の本でにわか勉強、印刷中も「これで合ってるのか、間違ってたらどうしよう……」
とおっかなびっくりだった。何せ海外の豆本コンペに出すというのだから。

受賞されたということで、本当によかった。
ちなみに赤井さんは2年連続の受賞(すごい)。おめでとうございます。

赤井さんの話では、特別優秀賞(分かりにくいが、これが最高賞)を受賞した
三作品はすべて活版印刷だったそう。


文学フリマ落選

文学フリマとは文学に関わる自作のあれこれを出品できる即売会で、
昨年私と石川は「山羊の木/海岸印刷」というブースで参加した。
とても楽しかったので今年も新作を作って参加しよう、と
意気込んでいたのだが…あっさり抽選で落選。

作り途中の新作の持って行き場を考える今日この頃。

活版を始めてから収拾が付かなくなってきた収納をどうにか
しようと模様替えを始めたら、地獄の蓋やら
大きなつづらの蓋やらを開けたような騒ぎに…。

ほとんどこんな感じ↓のやけっぱち気分。

(写真は米国の活字メーカーATFの見本帳から。恐るべき浮かれぶり…)

夏のことなど

すっかり更新が滞ってしまって…
そうこうして夏が終わっていくのは寂しい。

お盆には実家に帰ったりした。


  みやこに住めど
  心に繁る深き田舎の夏ぞ
  日を追ひては深む
  いつくしみある地の夏ぞ
   
      (室生犀星「合掌」その五)


センチメンタルなことだなあ…と読むたび思うが、
そういう自分も実にセンチメンタルな具合で夏を好んでいるのだから世話はない。
古い詩で暑中見舞いでも刷ろうかと思ったのも果たせず早くも8月末。
来年の暑中見舞いにでも刷ろうか…。

スターバック・カード

かっこいいデザイン、素敵なテキスト…などと考えていると
気負ってしまって全然作業に移れない。
(というかそもそもデザインとかよく分らない。)

しかしよく考えると趣味として家で一人でやっているのだから、
刷った後の用途に困ることに耐えられさえすれば
本来どんなデザインであろうと、役に立たない謎のテキストであろうと刷ってもいい…はずだ。

そういうわけで積極的に「適当カード」の制作を自分に許すことにする。
適当カードに時間を掛けるのも何なので適当にルールを決めることにする。
・デザインとか前もって決めない。凝らない。
・内容は思いつき。
・組版から片づけまで1時間。

そういうわけで一時間後…



『白鯨』に登場する一等航海士・スターバックのカード。
刷ってしまってから書体とスターバックの雰囲気が全然合っていないことに気付く
(どっちかというとエイハブのほうが合いそう)が、もう遅い。

用途もやはり全然思いつかないが仕方ない。

活字地金彫刻

先月、活字地金彫刻の実演見学会に参加した。



詳細は↓(長いです)。

写真追加しました。(7/17)

お知らせ

今週月曜日から7月2日まで、青山ブックセンター本店で活版イベント
『活字版印刷術 FESTIVAL /ABC dé タイポグラフィ!』
が開催されています。主催は朗文堂、会場は青山ブックセンター内A空間
(時々トークショーなどをやっている奥まった小部屋です)。

今年新発売の活版印刷機ADANA−21Jの展示・ワークショップや、
活版を扱う公版書物印刷所(書物規模の印刷所)のビデオ展示、
他にも様々な形で活版に関わる人々の活版印刷作品展示会もあります。

その展示会の中に、海岸印刷が印刷を担当した作品も展示させていただきました(!)。
出展内容は
石川美南の『物語集』と『寂しい栞』、赤井都さんの『雲捕獲記録』。
『雲捕獲記録』は会場で販売もされています。

会場がとても良い雰囲気で、暖かみのある空気の中で貴重な資料を
見ることができます。物販もあり、活字や活版印刷作品、活字見本帳などを
購入することができます。
私も搬入の時に準備段階の展示を拝見した程度なので
改めてABCに行くのが楽しみです。活版に興味のある方はお薦めですよ。

詳細はこちら
活字版印刷術 FESTIVAL /ABC dé タイポグラフィ!

お詫びと訂正

お知らせです。
海岸印刷ページの「海岸印刷について」においてリンクをしていた
メールアドレスが!間違っていました。

今までメールを下さった(かもしれない)皆様、
大変申し訳ございませんでした。
度し難い間抜けぶりに我ながら愕然としています。

リンクは正しいアドレスに訂正しました。
私のアドレスはhashime@yaginoki.comです。
ちなみに間違っていたアドレスはhahime@〜
ハヒメ…。

もし、以前メールを下さっていて、もう一度送ってやっても良いという方が
いらっしゃいましたら、上記アドレスに再度送って頂けますと大変嬉しいです。
きちんと、ご返信させて頂きます。

じわじわと脱・間抜けを目指すべく精進していく心積もりでおりますので、
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

白鯨

いつか『白鯨』を刷りたいものだ(当然ごく一部分を)。




誤植

誤植が多い。



Nappy Birthdy…へなへなと膝から力が抜ける。
H→Nに関しては、活字が未整理でHの棚にNを入れてしまっていたのを
うっかり拾ったらしい。"Birthdy"に弁解の余地はない。

正しいバースデイカードはこちら↓。書体はPrince。
うっとりとした書体を使う機会があると嬉しい。





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